Think globally and act locally

当事務所は質の高い実務を希求し、依頼者のために尽力する、グローバルな視点とローカルな行動で委託者の信頼に応えます。

ごあいさつ

当事務所は、八重洲法律事務所に所属していた2人の弁護士が、光速のごとく変化する社会において、広い視野に立ち、より質の高いリーガル・サービスを提供することを目的として設立した事務所です。

当事務所の弁護士は、以下に述べるとおり、各人各様の経験を積んできており、その経験を踏まえてご依頼に対処することができます。
すなわち、弁護士藤井は、上場会社の監査役であった経験を活かし企業法務や知的財産権について、弁護士武井は、総合商社勤務など社会経験を活かしコンプライアンスや一般民事・家事事件について、それぞれ強みを持っているほか、いずれの弁護士も政治、経済、国際問題について研鑽を積んでおり、広い視野をベースに、新たな法的問題についても積極的に取り組む意欲を持っています。

加えて、当事務所は、狛グローカル法律事務所と提携関係にあり、より幅広い分野において相談に応じることが可能となっています。

当事務所といたしましては、以上のような各弁護士の特性や提携事務所との関係を活かしつつ、ご相談者様からしっかりお話をお伺いし、物事の本質を的確に解明したうえ、問題の迅速、適切な解決を図ることをモットーにしております。私たちにとっては、日々のプラクティスが“Think globally, act locally. Think locally, act globally.”の実践であり、またそうあらねばならないと考えています。

事務所名「グローカル」の由来

当事務所の八重洲グローカル法律事務所は、地名の八重洲と、提携事務所の狛グローカル法律事務所のグローカルにちなんだものです。このグローカルの意味するところについては、狛グローカル法律事務所の創設者 故狛文夫弁護士による解説を転載します。

「グローカル」の語は、「グローバル」と「ローカル」の語を合成した造語です。一般的には、「地球規模の視野で考え、地域視点で行動する(Think globally, act locally)」ことが特にグローバルな国際的販売戦略上必要だとする用語だと理解されているようです。1980年代に、日本の経済学者が使用した用語である「土着化」という言葉を英訳したものであると欧米では理解されています。1997年に社会学者のローランド・ロバートソン氏により同語が造語されたといわれています。その後世界的に「グローバル化」が意識されるに伴い、この語は広く世界に普及しました。然し、その意味するところは、国際的な販売戦略に限定されるものではありません。また、日本に伝来する美術工芸品が大好きな本人としては、その支援に関して全面的に賛成ではありますが、2016年より文化庁の管轄でスタートしているグローカル文化事業のように、日本の美術工芸品を海外の人々に宣伝することだけがグローカル事業ではありません。

例えば、「グローカル」の語の普及に功績のある上記ロバートソン氏によれば、「グローカリゼーション」とは「普遍化と特殊化の同時進行(同時存在)する性向」をいうとしています("means the simultaneity-the co-presence of- both universalizing and particularizing tendencies.")。この定義からしても、必ずしも国際的なマーケテイング用語としての意味のみで使用されているわけではないことが分かります。同氏の場合は、広くグローバル化の社会的現象の分析のための用語として使用しようとしていること明らかです。

当事務所(注:狛グローカル法律事務所)がこの名前を採用したのは、「グローカル」という合成語には、21世紀初頭の国際秩序の考え方のいわば「潮の香り」が強く出ている言葉であるからです。何故かと言うと、「グローバル」とか「ローカル」とか、「グローカル」と言う言葉が、世界的な問題を提起している問題に使用されているのに、近現代の国際秩序の中の権利義務の主体とされている主権国家のにおいを極力消そうとしている言葉だからです。もはや「インターナショナル(国際関係)」という言葉(その元々の意味は、主権国家と主権国家との関係)で語られるのではなく、国家のにおいのしない、「グローバル」と「ローカル」の関係として表現されることが多いのです。

これには5つの背景が考えられます。
第1に、21世紀に入り、これからの人類社会の多くの問題が、国家という枠ではなく、むしろ地球規模の問題と必ずしも国家でないローカルとの関係で語られなければならないという現実があること。(具体例としては、地球温暖化、先進諸国の少子高齢化とその他の国の人口爆発《難民問題も含む》等の問題)、
第2に、情報のデジタル化とインターネットの発達とモバイル端末の個人化による、文字、画像、動画等の送受信のこうした個人化した端末間での直接の交換(媒体という物の国境を境とする輸出入を伴わない)が可能となり、世界的に国家が管理することの難しい情報環境の世界一体化ができつつあること。
第3に、90年代に始り21世紀に全開した旧ソ連の崩壊を主原因として、世界単一の市場がかなりはやい速度で形成されていったこと。
第4に、通貨同盟により21世紀初頭の前後に現実化したEUは通貨同盟にいたらない国を含めて28ヶ国に及び世界最大の市場を形成しています。これまでに、EUにおける立法政策は、大きな影響を実際の国際法の実務に影響を与えてきました。通貨同盟はまだないものの、昨年から大きな舵をEUと同じ方向に切ったアセアン連合(AEC)等、どこの地域でも、国家を超えた地域の関税同盟又は国家連合の案が検討され、こうした案がない地域を探すことは今や難しいこと。(今や消費市場の大きさが国際的影響力の一つの目安になりつつあり、その影響力が個々の商取引を扱う法律実務にも変化をもたらしています。)
第5に、詳しいことは省きますが、1980年代から「西側」で影響力を増した新古典派の経済学者が、規制緩和及び減税推進のために謳った警察国家的な主張の影響が強かったことと、旧ソ連崩壊後、その経済思想の影響が。その空白を埋めるように旧ソ連圏や当時「第三世界」といわれた地域にひろがったこと。

但し、上記のことを「潮の香り」と表現しましたのは、実際の法律実務上は上記のイメージとは異なり、主権国家が制定する法律と、主権国家が締結する条約が、厳然と存在し、これに従わなければ、何も進まないのが現実の21世紀の法律実務であることも、忘れてはならないからです。

もう一つ「グローカル」につき興味深いのは、今世紀は、人類社会にとって、「ローカル」が肥大化して、「グローバル」を超えて、宇宙の各地が「ローカル」と意識されることになる最初の世紀ではないかと思われるのです。即ち、これまで「ローカル」が地球の内部であった時代から、「ローカル」が地球の外部に認識される最初の世紀になるのかもしれません。その時、「グローバリゼーション」とは、地球外の地の「地球化」を意味する言葉に転換し、「グローカリゼーション」は、地球外の「地球化された宇宙基地」に発生した文化の地球の文化への影響を指す言葉になっているかもしれないのです。(因みに、「グローバル」の語は、もともと「球(たま)」を意味するラテン語のGlobelが語源で、それが転化して地球全体を意味するようになったのです。広大な宇宙の暗闇に孤立して浮かぶ球形の閉鎖的な体系のようなイメージです。(換言すれば、地球儀のイメージであって、メルカトールの世界地図のイメージと異なるのです。)また、表音文字のカタカナで翻訳しているつもりになっている日本と異なり、中国語の訳である、「全球化」(グローバリゼーション)、「在地化」(ローカリゼーション)及び「全球在地化」(グローカリゼーション)は、英語の訳語として、その球形の中の一部の地域がイメージできる点で、またその球形の外に宇宙がイメージできる点で、より正確な意味(もしくはイメージ)を伝えているように思われます。ここにも、21世紀の香りと響きを感じてしまうのは、実務家にあるまじきSF的妄想でしょうか。)

然し、この言葉を当事務所(注:狛グローカル法律事務所)の名前の一部に選択しました本当の理由は、法律実務の最後に検討すべきことをいつも思い出させる当事務所(注:狛グローカル法律事務所)の警句にしようとの意図があります。英語の「グローバル」と「ローカル」を対(つい)にして使用すると、広い一般的な意味で、前者は「ものごとの全体」を、「後者」は「全体の一部を構成する要素」を指す言葉でもあるのです。即ち、後者が前者の部分集合だということです。当事務所(注:狛グローカル法律事務所)にとっては、実際の業務を処理する際のモットーとして、「木を見て森を見ず」「森を見て木を見ない」という法律実務でよくある間違いを常に思い出させてくれる警句が、「グローカル」という言葉でもあるのです。その意味でも、少なくとも当事務所(注:狛グローカル法律事務所)では、Think locally, act globallyもThink globally, act locallyと同様に「グローカル」の一部なのです。(後略)     <終>

故狛文夫弁護士の経歴及び原文はこちらhttp://www.kog-law.com/founder.html

八重洲グローカル法律事務所 住所:東京都中央区京橋1-1-9 千疋屋ビル3階 tel:(03)6281-9090(代表)